誰もがみな、年をとる
会社帰りに烏山でタバコを買ってたら見覚えのある顔がすれ違っていった。
昔いた本屋さんで東京営業所長をされてた方。たしかに烏山にお住まいだと聞いてたことがあったけど現地で遭遇したのははじめて。
直接の上司じゃなかったけど、辣腕で知られただけに精悍な顔つきと鋭い目つきをいまでも記憶してる。面影は変わらずだけど、だいぶお年を召されてた。
まあ背中が丸くなってたわけじゃないし、たしか医療系の出版社に再就職してそれなりのポジションに付けたはずなのでまだまだ現役だと思うけど。
お土産みたいな包みを持って、けっこう大股で、足取りもしっかりと歩いていかれた。
何を話すわけでもないだろうけど、でも声をかけられなかったな。予想外に出会ってびっくりした以上に「老けたなぁ…」って印象がすごくあったから。
あの頃から15年。老けたのはお互いさまでしょう。
この15年、おれは何をしてきたんだろう。何ができたんだろう。ず~っともがいてただけかも知れない。でも今まで生きてこれたんだから、今日からできることがあるかも知れない。何かを残せるかも知れない。
むらたさん達がおれ達に背中を見せてきてくれたように、おれも誰かに背中を見せてあげることができるだろうか。
好きではなかったけど尊敬はしてたひとの老け顔を見て、そんなことを考えた年の瀬も近い冬の夜でしたとさ。
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